疾患の概要
マイコプラズマ感染症は、Mycoplasma genitalium(マイコプラズマ・ジェニタリウム)や Ureaplasma parvum(ウレアプラズマ・パルバム)などによって引き起こされる性感染症です。この病原体は非常に小さく、クラミジアと似たような症状を引き起こしますが、診断や治療には異なる注意点があります。
主な症状
女性では、以下のような症状がみられることがあります:
- おりものの異常
- 下腹部の痛み
- 性交時の痛み
ただし、症状が出ない(無症候)ケースも多く、気づかないまま放置してしまうこともあります。
放置した場合
放置すると以下のリスクがあります。
- 子宮内膜炎
- 卵管炎・骨盤内炎症性疾患(PID)
- 不妊の原因となることも
早期の発見と治療がとても大切です。
検査方法
マイコプラズマ感染の診断には、おりものの核酸検出検査が必要です。
特に症状が持続したり、クラミジア・淋菌の治療をしても改善しない場合は、マイコプラズマの感染が疑われます。
治療方法と注意点
治療には抗菌薬が使われますが、近年問題となっているのが薬剤耐性です。
・第一選択薬:アジスロマイシン
ただし、耐性株(特にM. genitalium)が増加しており、効果が出にくいケースもあります。
このため、症状が残る場合は再検査や薬の変更が必要となることがあります。
パートナーへの配慮
マイコプラズマは性交渉によって感染します。治療中や治療後しばらくは性行為を控えること、パートナーと一緒に検査・治療を受けることが重要です。
最後に
マイコプラズマ感染症はあまり知られていませんが、若い女性にも無関係ではない性感染症です。おりものの変化や下腹部痛など、気になる症状があれば早めに婦人科を受診してください。
