疾患の概要
淋菌感染症は「淋菌(Neisseria gonorrhoeae)」という細菌によっておこる感染症です。主に性行為を通じてうつる「性感染症」のひとつで、男女ともにかかる可能性があります。女性では子宮の入り口(子宮頸管)に感染しやすく、帯下(おりもの)が増える、不正出血がある、下腹部が痛むなどの症状が出ることもありますが、実は約半数の方が無症状です。
また、口を使った性行為(オーラルセックス)により咽頭(のど)に感染することもあり、その場合も自覚症状が少ないのが特徴です。
放置した場合
症状が軽い、あるいは出ないまま放置してしまうと、菌が子宮の奥まで広がってしまうことがあります。すると「卵管炎」「骨盤内炎症性疾患(PID)」「肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)」などを引き起こし、不妊症や子宮外妊娠(異所性妊娠)の原因となることも。重症化すると高熱や強い腹痛が出ることがありますので、早めの検査・治療が大切です。
検査方法
検査では、細い綿棒で子宮頸管やのど(咽頭)をぬぐって、菌がいるかどうかを調べます。「核酸増幅法(NAAT)」という方法で行うと、少ない菌でも調べることができます。クラミジアという別の感染症が同時にあることも多いため、いっしょに検査することがほとんどです。
治療方法
治療は1回のお注射(抗生物質)で済むことが多いです。現在、日本では「セフトリアキソン」または「スペクチノマイシン」というお薬の注射が第一選択となっています。飲み薬での治療は、菌が効きにくくなっているため、基本的には使われません。
費用
検査費用(保険3割負担、初診の場合):2,090円~4,000円
(保険3割負担、再診で、喉の検査):2,000円
治療費用(保険3割負担、再診):1,500円
よくある質問
治癒の確認は必要ですか?
はい、必要です。菌が完全にいなくなったかを確認するため、治療後2〜3週間ほど経ってから再検査をお願いしています。とくにのどの感染や、飲み薬で治療された場合は、再感染防止や薬の効き具合を見るためにも確認検査が大切です。
妊娠への影響はありますか?
妊娠中に淋菌感染症にかかっていると、出産時に赤ちゃんの目に菌がうつって「新生児結膜炎」を起こすことがあります。まれに重症化すると失明のおそれもあります。そのため、妊婦健診などで必要に応じて検査・治療を行っています。
パートナーも一緒に検査・治療が必要です
ご本人だけでなく、パートナーの方も検査・治療を受けていただくことがとても大切です。お互いに気づかないうちに感染をくり返してしまう「ピンポン感染」を防ぐためにも、ぜひパートナーの方と一緒にお越しください。男性は症状が出やすい傾向にありますが、症状がないこともあります。
ご不安なことがありましたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。
こむかい産婦人科では、安心して診療を受けていただけるよう、丁寧にご案内しております。

