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妊婦の方が考慮すべき新型コロナウイルスワクチン接種の情報
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最近、妊娠中の患者様より、新型コロナウイルスワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)接種に関する意見を求められることがたびたびあります。一般の方の新型コロナウイルスワクチン接種のメリット、デメリットに関する情報に加えて、妊婦の方が考慮すべき新型コロナウイルスワクチン接種の情報をお伝えしたいと思います。

今回は厚生労働省、日本産科婦人科学会、国立成育医療研究センター等の情報を私なりにまとめてみました。ワクチン接種にあたっての参考になれば幸いです。

妊婦の方への新型コロナウイルスワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)接種に関して
①どうして接種したほうがいいのか
②ワクチンの安心できる情報は
③懸念されることとそれに関してわかっていること
④各国の方針は
⑤接種する時は
⑥妊婦のパートナー
という順で述べていきます。

①どうして接種したほうがいいのか
妊婦が新型コロナウイルスに罹患すると重症化率、帝王切開率、早産率が高い。

②ワクチンの安心できる情報は
データは限られるが、安全性の証拠は増えつつある。
妊娠中にワクチン接種を(主に妊娠後期に)受けた方では、新型コロナウイルスに対する抗体が児に受け継がれる可能性あり、また母乳中にも抗体が確認されており、児を守るのに役立つ可能性がある。

③懸念されることとそれに関してわかっていること
1)新型コロナウイルス感染
このワクチンはウイルス等の毒性を弱めて作られた生ワクチンとは異なり、接種により新型コロナウイルスに感染することを心配する必要はない。また接種後に感染しやすくなる事実はない。
2)副反応
妊婦に接種を行った場合の副反応は非妊婦に比べて局所、全身反応ともに大きな差はなかった。
3)妊娠、生殖に対する影響
ワクチン接種に伴う流産等の妊娠特有の問題については自然発生率と大きな差がなかった。
コロナワクチン接種の生殖に関する研究はまだ完了していないが、現時点で胎児や胎盤に毒性があるとか、ワクチン接種で不妊になるといった報告はない。
4)今後の影響
中・長期的な副反応や胎児及び出生児への安全性は今後の情報収集が必要。

④各国の方針は
1)日本
妊婦を接種対象から除外しない。
感染者が多い地域では積極的な接種を考慮。
器官形成期(妊娠12週まで)は接種を避ける。(偶発的な胎児異常の発生との鑑別に混乱を招く恐れがあるため)
感染リスクが高い医療従事者、保健介護従事者、重症化リスクのある肥満、糖尿病などの基礎疾患のある方は積極的なワクチン接種を考慮。

2)米国
CDCは妊婦にも接種の機会が与えられるべきとしている。

3)英国
妊婦は年齢及び臨床的リスクグループに基づいて、妊娠していない女性と同じ時期にワクチン接種を行うべきと勧告。

4)EU
妊婦にワクチン接種をするか否かはベネフィットとリスクを考慮して、医療専門家と協議して行うべき。

5)WHO
これまでの知見から妊婦への接種の利点を上回るリスクがあると考える特別な理由はない。

⑤接種する時は
接種前後に超音波検査等で胎児心拍を確認または接種前後1週間以内の妊婦健診が勧められる。接種後に腹痛、出血、胎動減少等の症状があれば、すぐに受診を指示する。

⑥妊婦のパートナー
家庭内感染を防ぐため、ワクチン接種を考慮する。

以上の情報は新型コロナウイルス、ワクチンの妊婦の方への情報です。一般の方の情報に加えて参考にしてください。ワクチン接種は最終的にはご自身の判断となりますが、かかりつけ医と相談してワクチン接種を検討していただければと思います。
最後に2回の接種を受けても1~2週間以上経ないと抗体は十分ではなく、また変異ウイルスには効果が不十分な可能性もあります。今後も三密を避け、マスク着用をお願いします。

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