2018/11/29
最近風疹が流行しているという報道をよく目にします。
特に妊婦さんは風疹について注意が必要です。
風疹に対する免疫が不十分(風疹HI抗体価が16倍以下)な妊婦さんが、妊娠20週頃までに風疹に感染すると、目や心臓、耳等に障害をもつ(先天性風疹症候群)子どもが出生することがあります。
さらに妊娠中は風疹のワクチン接種ができないからです。
(通常妊娠初期の血液検査に風疹HI抗体価は含まれています)
風疹に対する防御策として
各個人はワクチン接種をする
社会全体としてはワクチン接種を徹底することで風疹の流行を制御し、妊婦さんが風疹にさらされないようにする
この2つが重要です。
しかし妊娠中は風疹のワクチン接種ができません。(繰り返しになりますが)
そうなると
- 妊婦さんは風疹に近づかないように
- ご家族や周囲の方々は妊婦さんが風疹にさらされないように注意する
しかありません。
具体的には
- 妊婦さんは風疹が流行している地域では可能な限り不要不急の外出を避けていただき、やむを得ず外出をする際には可能な限り人混みを避けていただく等注意が必要です。
また出産後早期に風疹のワクチン接種を受けましょう。 - ご家族はご自身が風疹にかかって感染源にならないよう、風疹の既往歴、ワクチン接種歴を確認し、風疹抗体価検査を行いましょう。結果によっては風疹のワクチン接種を行いましょう。
(妊娠を希望される女性やその同居者、妊婦さんの同居者に対して風疹抗体価検査や風疹のワクチン接種を補助する自治体もあります。ご確認ください) - 周囲の方々は周辺の風疹患者把握に努め、風疹患者が発生した場合は妊婦さんに伝えてください。
(ご家族と同様に検査、ワクチン接種ができれば最良ですが)
そのためにも妊婦さんは妊娠がわかったら早期に周囲の方々にお伝えください。
幸せな妊娠、出産のために皆で注意していきましょう。
最後に、今、風疹にかかっているのは30~50歳代の男性が中心です。ご留意ください。